書体名にある顔真卿は初唐を代表する書家であり、また非業の最期をとげた剛直な性格の役人でもありました。その書法は欧陽詢などの正統的なものとは異なり、むしろ革新的でたっぷりとした造型は伸びやかで表現豊かです。それは顔真卿の書が楷書だけではなく篆書や隷書の筆法も取り入れた多彩な表現に起因するからかもしれません。起筆や右ハライの終筆部など書家独特の処理が見られます。「顔真卿体」は雄大で意気盛んといわれた特長をフォントとして再現いたしました。漢字の大らかで、かつどっしりした重量感に合わせ、ひらがな・カタカナもフトコロを広くとり、外側へ線を張るデザインにしてあります。