気になるフォント:新元号「令和」 – Font Garage

気になるフォント:新元号「令和」

皆さんも既にご存知の通り、新しい元号が「令和」に決まりましたね!
万葉集から引用されたとの事で話題になっています。
(他の該当記事関連を引用すると意外と面倒なので万葉集の件は割愛します)

ここで注目なのが、この「令和」の「令」という文字についてです。
かなりの盛り上がりを見せています。

令の字は、一番上の部首の「ひとやね」の下部分が、大きく分けて2つ?
「マ」や「’叩’(の右側)」などが存在します。

先日TVで金田一先生が、「どれも間違いではありません」と言っていました。
どの形でも表現はあっているという事でした。
要するに、どちらを使用しても問題ないし、間違いではないとの事です。

ですが、今回の発表時に菅官房長官が掲げた書をみると「マ」ではなく、「’叩’(の右側)」の形の「令和」でした。

今後、元号の文字を使った印刷や画像等の表記に関して、どれを使えばいいのかとても気になると思います。
やはり会見で掲げられた書が正しい記載では?と思ってしまいますし、皆さんも心理的に合わせたくなるのが当然かと思います。
が、実は筆文字でこの「令」を探すのがかなり困難なんです。

基本的に、WindowsのMSゴシックや、Macのヒラギノなど「ゴシック体」や「明朝体」などでは「’叩’(の右側)」の「令」になっています。
他のメーカーのゴシック体なども同様でした。

そこで、現在FontGarageであつかっているフォントのうち、賞状などでよく使われる「楷書体」で「’叩’(の右側)」の文字を使っている令の字を探してみました。

① FontGarageのシミュレーションで検索結果を確認したいと思います
「FontGarage ダウンロード」ページ

② 中央部したにある、「シミュレーター」で、’令和’と入力します。

その際、書体カテゴリで「楷書体」を選択して検索すると、下記の結果になります。
楷書体:’令和’の検索結果//FontGarage

ここで気づいたのが、「マ」はいっぱいあるのに「’叩’(の右側)」がなかなか見つからないという事実。。
検索一覧をどんどん進んで行って、やっと出てきたのが下記の2書体でした。

【楷書体】

・ダイナコムウェア・エヌアイシィ
DF円楷書セイビタカナワ

うーん、通常のゴシック体や明朝体とかは普通に「’叩’(の右側)」の「令」があるのですが、楷書体になると極端に少なくなります。

さらに筆文字で調べてみました。
結果は下記の通り。
筆文字:’令和’の検索結果//FontGarage

こちらも、「マ」の「令」がほとんどでした。
筆文字をさらに検索して進めていくと、「’叩’(の右側)」の「令」で該当するものは下記書体がありました。

【筆文字】
・雲涯フォント
味わい毛筆

・ミーネット 筆技名人フォント
風弦体春雲体憩楽体

●筆文字人気書体の白舟書体と昭和書体でも、「’叩’(の右側)」の「令」を使用しているフォントは意外と少ない感じです。。

・昭和書体・白舟書体
遊和書体遊刃書体唐草魂心

●意外と面白いのが、Widowsでよくバンドルされているリコーフォントでした。
筆文字として分けてしまうのもどうかと思いますが、ひげ文字や古印体、江戸文字風な文字で「’叩’(の右側)」を使用している「令」があったのでご紹介です。

・リコー(RICOH)
HGひげ文字HG篭字HG半古印
HG創英イオリ書体HG関演芸文字HG高橋隷書体

ここで合字についての話しを。。
合字(ごうじ、英: Ligature)とは、複数の文字を合成して一文字にしたものです。
参考:Wikipedia’合字’

・筆記体の影響などから、デザイン上、単に複数の文字をくっつけて書いたもの。
・活版印刷において、スペースを調整する目的(カーニング)により、いくつかの文字をくっつけた活字を作り、必要に応じて使用したもの。
1文字のスペースに記号化されたマークの様に使われるもので、センチメートルcmなど長さや、キログラム㎏の様な重さ単位、各種元号「㍾・㍽・㍼・㍻」の様な文字の事です。

例)「令和」の合字イメージ

【年号「令和」の合字について】
動向として、この年号に合わせた’合字’を作成対応すると発表しています。
(現時点では一部メーカーのみ)

先日フォントメーカーのダイナコムウェアさんもリリースを出しました。

’ダイナフォントが新元号「令和」の合字を日本語全書体に対応’

第1弾として新時代にふさわしいフォント「金剛黒体」6ウェイトが対応 4月3日から提供開始との事で、この「合字」というのは、
極端に言うと令和と2文字打ち込むと、1文字の文字のサイズで作成された「令和」の表記が出るという意味です。
ダイナコムウェアさんは、昭和や平成でも同様の対応フォントを作成していましたが、弊簡単に年号を打ち出したい時に使いやすいものです。

また、ADOBEさんもAdobe Fontsのアップデート(合字対応)についてリリースを出しています。

’Adobe Fontsの日本語フォントの#新元号「令和」の合字への対応について’

今回追加されるのは新元号となる「令和」を1つの記号にした合字で、縦書き用と横書き用の2文字となります。
これまで、明治、大正、昭和、平成の元号の合字については、国際的な文字集合と文字コードを定めた、ISO/IEC 10646 Universal Multiple-Octet Coded Character Set(UCS)およびその日本語標準である『国際符号化文字集合(UCS)』(またはUnicode)にすでに含まれており、多くの日本語フォントで利用可能になっています。

弊社ADOBEブログでも取り上げていますので、こちらも合わせてご覧ください。

「改元にともなうAdobe Fontsのフォントのアップデートに関するお知らせ」/Adobe Creative Cloud グループ版 ボーンデジタルスタッフBlog

各メーカーも新元号の発表でリリースを出したり、しばらくは色々と対応に追われると思います。

<<最後に>>

今後、合字などの対応は進むと思いますが、既に作成されている文字の字形が変わる・もしくは増える?事はほぼありません。

わざわざこの「令」の一文字の為に、既存のデザインを変更する事は考えられません。
一文字を変更する事=1書体フォントのすべてのデータを入れ替えるという事になるからです。

ですので、現在フォントの文字セットの「令」の作りが「マ」のみで「’叩’(の右側)」の表記がない場合は、そのフォントはほぼ永久的に「マ」の「令」しか存在しない事ご理解ください。

もし気に入ったフォントに希望の文字が無い場合は、別で希望の文字が出るフォントセットの書体を使うしかありません。
そのデザインのフォントをどうしても使いたいとなると、イラストレータなどでアウトラインを取って、自分でデザインをし直すしかないのです。

今回ご紹介したフォントは、主に楷書体と筆文字です。
シミュレーションできる文字限定ですので、全てを網羅出来ているものではありませんが参考にはなると思います。

基本的にゴシック体や明朝体などでは「’叩’(の右側)」がデフォルトです。
ですが、楷書体や筆文字などの場合は「マ」を使った書体がほとんどなので、気に留めておいてください。

もちろん、他のカテゴリの書体も色々ありますし使い道も異なるので、それぞれの利用シーンにあったカテゴリで検索してみると面白いかもしれません。

皆さんもぜひシミュレーションしてみてください!