「ハンコのデザインにぴったりのフォント特集」 ハンコに映える和フォント特集― 印象を左右する書体選び ―

ハンコは小さな印面に情報を凝縮して伝える日本独自の文化です。
実用性だけでなく、書体の選び方次第で、重厚感・信頼感・遊び心を表現することができます。
ハンコのデザインに適したフォントをご紹介。

■ ハンコのデザインに適したフォントって?

  • 印鑑で利用されるフォントには、伝統的なものからモダンなものまでさまざまな種類があります。例えば、以下のようなフォントが人気です:

  • 篆書体(てんしょたい):印鑑の定番フォントで、歴史ある書体。偽造しにくく、実印や銀行印に適しています。
  • 古印体(こいんたい):日本独自のフォントで、柔らかく温かみのある印象を与えます。
    印相体(いんそうたい):篆書体がベースの書体。読みにくく偽造されにくいのが特徴です。
  • 隷書体(れいしょたい):横長で波打つような特徴があり、読みやすく認印に向いています。
  • 行書体(ぎょうしょたい):筆はこびを感じる流れるような筆記体で、優雅な印象を与えます。
  • 楷書体(かいしょたい):整った形で読みやすく、シンプルな印鑑デザインに適しています。

    ■ カテゴリ別おすすめフォント紹介:フォントの名前とその特徴

フォントの種類ごとに、用途(実印・銀行印・認印など)を説明します。

🟣 実印・銀行印向け(重厚・正統派)

・篆書体(てんしょたい)

概要:秦の時代に起源を持つ古代書体。印相体としてデザインされたものが多く、公式・法的書類でも使用されます。
特徴:左右均等で幾何学的な美しさ、偽造しにくく信頼性が高い
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AF‑篆書90DB/04EL/04DB
など(ネットユーコム製)
https://font.designers-garage.jp/products/detail/9404


 → 古代文字の雰囲気を残し、格式ある重厚な印象。


💠 認印・住所印向け(読みやすさ重視)

・古印体(こいんたい)

概要:奈良時代の寺社印に由来する和文書体。日本独自で丸みと墨のにじみを持たせた優雅なデザイン。
使用シーン:認印やカジュアル用途でも見た目に味を持たせたい場合に選ばれます
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モトヤ古印体5(モトヤ)

・隷書体(れいしょたい)

    • 概要:篆書体より読みやすく改良された古典的書体。横長の字形と筆致に特徴があります。
      使用シーン:役職印・角印などで判別しやすく、かつ味わいを残したい場合に好まれます
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      イワタ隷書体 /イワタ

      訓隷書体細アウトライン/伊藤印材店

      各社による隷書体カテゴリ全般
       → 横長の字形とリズム感ある筆跡で個性を演出。

      ・行書体(ぎょうしょたい)

      概要:楷書は習字風の整った書体、行書は流れる筆跡が特徴。
      使用シーン:認印・日付印など、「可読性重視」でありつつ手書き感も出したい場合に選ばれます

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      シーアンドジイ 流麗太行書体 Windows版/シーアンドジイ


🎨 趣味・遊び心のある印鑑(個性派)

・角崩し(かくくずし)

個性派カテゴリとしては、認印向け書体に加え、手書き風や装飾系フォントの候補もあります:
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白舟角崩朱文/白舟書体


→ 江戸文字の「角字(かくじ)」を再現した、極太で四角いフォルムが特徴。
一見なにが書いてあるか判別できないが、よく見ると見えてくる暗号的な要素もあるデザイン。
白文と朱文があり、朱文は文字部分が黒く表示されます。
法被(はっぴ)や半纏(はんてん)など、お祭り関連のデザインでよく利用されます。

伝統的な書体で、独特の風格や偽造防止・またはユニークな見た目を求める場合に適しています。
主に祭りや和風デザイン、強いインパクトを与えたい場面で活用されます。
読みやすさよりも、デザイン性や力強さを重視するフォントです。

■ 使用例画像

  • 実際に認印を作成する際のフォントの組み合わせ例を紹介します。
    各フォントを使用した印影サンプル「名前」のレイアウト例です。


    サイズはあくまで目安です。
    つくる画像の大きさによってサイズは変わります。
    まずよく使われる「認印」の場合、正円や楕円の中に文字を詰め込む形になるので、基本的に文字自体は横広なデザインになります。
    横幅は必ず広くする(最低でも120%以上)と見栄えがハンコらしくなります。

    ✨ポイント
    気を付けるポイントは文字の縁を周りの〇にくっつける事。

    選択した文字にもよりますが、文字同士もくっついていると空白が少なくなり見え方も変わります。
    実際のハンコでは空白が多いと文字欠けの原因になるため、空白を極力少なくする作りになっています。
    デジタルの場合でも同様に空白に気を付けるとよりリアルに近づきます。

     


■ よくある質問(FAQ)例

  • ・商用利用できるの?
    → メーカーによって許諾が異なります。
    個人で趣味としてハンコのデザインにフォントを利用する場合は、全てのメーカーで許諾されています。
    ただ、作成したハンコを商品として販売する場合は別途許諾費用がかかる場合があります。
    この場合は、必ずお問合せください。

    ・フォントは1つ購入すれば何台にインストールしても大丈夫?
    → フォントデータは基本的にインストールするPC1台につ、1つのフォントを購入いただく決まりになっています。
    複数台数で利用ご希望の場合は、その台数分のフォントを購入いただく必要があります。

  • ・フォントは印刷所に渡せるの?
    → フォント自体をインストールするPCの台数があっていれば、購入者と利用者が別でも問題ありません。
    たとえば、フォントを購入した方が自分では使わずに、制作者にフォントを渡して利用される分には問題ありません。
    自分もフォントをインストールした状態で、さらに他社に同じフォントを追加購入せずに渡すことはできません。

    ・デザインの際に文字の形を変形させてもいいですか?
    → 文字の改変を好まないメーカーもありますが、常識の範囲であれば大丈夫です。
    ※ほぼないと思いますが、原型がわからないくらい変更される場合は注意してください


💡 補足アイデア

  • フォントの試し打ちを利用しよう!
    特に筆文字は手書きの文字が元になっていることもあり、含まれる文字の数が思ったよりも少ない事が多いです。
    文字によっては表示できない文字もあります。
  • この文字は表示できる?など気になったときは、まずシミュレーションを使って確認する事をお勧めします。
  • でてくる文字はそのフォントに含まれている事を意味します。皆さんもAdobeの画像ソフト(Photoshop、illustratorなど)を利用して、自分専用のデジタルハンコを試しに作っててみてはいかがでしょうか?

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