気になるフォント「春秋-tsu」
◆フリーフォント「春秋-tsu」
今回気になったのは、はITメディアさんでも取り上げられていたフリーフォントの「春秋-tsu」です。
※杜甫「春望」 一節より
(原文抜粋)
「春望」杜甫
国 破 山 河 在
城 春 草 木 深
(書き下し文)
国破れて山河在り
城春にして草木深し
(現代語訳)
都が破壊されても山河は残っており、都に春が巡ってきて草や木が生い茂っている。
時代を感じては花をみて涙を流し、別れを恨んでは鳥の鳴き声を聞いていても心が痛む。
うーん、とても風情があっていい詩ですね。。
今回この文の原文を話題のフリーフォント「春秋-tsu」で表現してみました。
この絵文字の様な、漢字の成り立ち表す古代文字フォントが無料公開されています。
これは、太郎次郎社エディタス社が無料公開している同社が出版する書籍「漢字なりたちブック」で使用した古代文字をデジタルフォントにしたものです。
太郎次郎エディタス社様HP ダウンロードページのリンク
http://www.tarojiro.co.jp/download/5371/
甲骨文字・金文・篆文の中から、絵から楷書へのつながりが理解しやすいものを選んで、イラストレーターの金子都美絵さんが描き起こしたもので、フォントとして、字を組み合わせても統一感が出るように太さや形を整えられています。
今回、太郎次郎社エディタス社様から、新学習指導要領にあわせて拡張されたとのご連絡もいただきました。
詳細は下記ページよりご確認ください。
太郎次郎社エディタス社様HP:古代文字フォント「春秋-tsu」無料ダウンロードページにリンク
http://www.tarojiro.co.jp/kanji/shunju-tsu/
小学校学習漢字(教育漢字)1026字のうち、古代文字の判明している991字が収録対象となっていて、今回の拡張で府県名が追加されました。
※2019年8月15日更新 2020年度全面実施の学習指導要領から教育漢字に追加された20字(茨媛岡潟岐熊香佐埼崎滋鹿縄井沖栃奈梨阪阜)のうち、古代文字のない4字(潟埼崎栃)をのぞく16字を追加しました。バージョン表示は2.01となっています。
※以下に、太郎次郎社エディタス様よりご提供いただいた地図と重ねたデータを一部ご案内します。
(栃木・埼玉・新潟・宮崎・長崎の方には涙を飲んでいただいてお
商用利用も可能との事で、気になった方はダウンロードされてはいかがでしょう?
もともと甲骨・篆書・古印体・金文体をデジタルフォントとしてだしているメーカーもあります。
ということで「FontGarage 」で扱っているものをご紹介いたします。
【甲骨文字】
中国・殷(商)に行われた漢字書体の一つで、現在確認できる最古の漢字です。 - Wikipediaより-
【篆書体(篆文)】
広義には秦代より前に使用されていた書体全てを指しますが、一般的には周末の金文を起源として戦国時代に発達して整理され、
公式書体とされた小篆とそれに関係する書体を指します。- Wikipediaより-
【古印体】
倭古印体とも言う。
隷書体に丸みを加えた日本独自の印章用書体で、西暦285年以降に日本で漢字が使われるようになってから使われるようになった。
独特の線の強弱・途切れ(虫喰い)や墨だまりが特徴。
古風な見た目ながら可読性は比較的高く、銀行印、認印、角印など、用途を問わず広く使われる。- Wikipediaより-
篆書体も印鑑等でよく使われています。
篆書体と古印体が混ざったものなどもあります。
ここで一点、面白いのは「新井篆書 / NISFont(ニィスフォント)」です。
このフォントはウェイト別の他、文字を打つと、通常の文字列と逆転した文字が表示される’R(ウェイトSのリバースバージョン)’が存在します。
「S:スリム」、「R:リバース」、「D:デミボールド」
この’R’についてメーカーさんに確認した所、ハンコで使いやすいようにわざと逆に作られているとの事でした。面白いですね。
ぜひ一度下記ページでシミュレーションしてみてください!
https://font.designers-garage.jp/products/detail/5420
【金文体】
和文体フォントの一種。 中国古代の漢字書体である金文の装飾要素を基にデザインされた装飾文字です。
– Wikipediaより-
こうやって見ると、古風な文字も色々と出ているので、ここぞという時にデザインワークで登場させてみるのもアリだと思いますよ!
みなさんもゼヒお試しくださいね!